知る・知っているの敬語表現とは

敬語

ほんの少しの使い方で情報共有できるチャンスも

ビジネスマナーとして、敬語をどうやって使っていくかは重要な意味があるでしょう。
その中で、知る・知っているという言葉は、よく使う可能性があります。
ところが、これを敬語表現にしたらどうなるかといわれると、考えてしまうはずです。

ものごとの何かを質問された場合、その内容を知っているということは、情報を共有できるということになります。
営業先などで、話が合えば、これほどいいことはないでしょう。
ですが、お客様相手にわかることを敬語で伝えなければいけないとすると、敬語で考えなければいけなくなってくるのです。

しっている?しっています?本当の敬語はどこにあるか

目上の方だった場合、「知っていますか?」と聞くわけにはいきません。
これでは、丁寧にはなしていそうでマナーにも反します。
相手によっては怒られてしまうことも出てくるでしょう。

知るの尊敬語はご存知になります。
「ご存じでいらっしゃいましたか?」と聞けば、問題はないでしょう。
相手に対して敬意を表す言葉ですので、上司や取引先の場合には間違わないようにしなければいけません。
かなり丁寧な言葉ですので、逆に部下などに使えばおかしなことになってしまいます。

自分がへりくだって使う謙譲語の場合、存じるになるでしょう。
だれか特定のモノを知っている場合、「存じております」と使えば問題はありません。
少し考えなければいけませんが、人の場合には「存じ上げております」とするのが一般的になっていますので区別が必要です。
もうひとつ、「存じ上げます」は、「思う」の謙譲語でもありますので、流れで区別する必要があるでしょう。

丁寧語を使うのであれば、基本として「です」「ます」になることに注意が必要です。
「知る」の場合には、「知っています」になります。
簡単に丁寧にすることができるため、使いやすい言葉になるといえるでしょう。
同僚に近い立場の人に丁寧に話すといったことになりますので、使う場面に気を付ける必要があります。

誤解を受けやすい表現と二重敬語

困ったことに、敬語で使ったつもりが誤解されたり、曲解されたりすることがあるのも日本語です。
「ご存知」という言葉は、「お知りになる」という言葉にすることもできます。
これが難しいところで、尊敬語としては、「お~なる」で言い換えることができてしまうのです。

これが聞き間違ったりすると、「お尻になる」になる可能性があります。
誤変換でやってしまうこともありますし、電話で聞き間違うことだって否定はできません。
そのため、こうした曲解されやすい表現は使わないというのがマナーなのです。
ある企業では、「お送り」という言葉が「お怒り(お怒り)」に聞こえたりすることから、電話での使用を禁止しています。

やってしまいがちなのは、「お知りでいらっしゃいますか」というような二重敬語もやってはいけない表現です。
丁寧に見えて、失礼と感じる人もいます。
難しい部分ですが、確実にくどい表現ですので、避けるようにするべきでしょう。